「叔母が大事にしていた町家を残したい」。この改修計画は、施主様の思いの込められたお手紙から始まりました。中島川から少し入った場所にあるこの町家のある路地裏は、映画の撮影にも使われる程の、古い街並の印象的な場所でした。しかし、近年の開発により、町家のある街並は急速に失われつつあり、古い町家はこの住宅を含め僅かに残すのみとなっています。このプロジェクトでは、建物の傾きの補正や、崩れた壁の補修などを通し、施主様の思い出の詰まった町家の復元を計ることを目指し改修を行いました。部屋の中に佇むと光の陰影が沁み入る、しっとりと落ち着きのある空間となりました。