長崎市の斜面地に建つ、ご夫婦とお母様のための小さな住まいです。
かつてこの場所に建っていた建物を解体し、敷地の記憶を引き継ぎながら、新たな暮らしにふさわしい空間を目指しました。
限られた面積の中でも圧迫感を感じさせないよう、天井を高く設け、光と風が抜ける開放的な室内としています。道路に面した敷地条件に配慮し、リビングにはハイサイドライトを採用。外からの視線を遮りつつ、やわらかな光が差し込む、明るいリビングダイニングをつくりました。
内部は建具によって空間のつながりを調整でき、暮らしの場面に応じて広さや距離感を柔軟に変えることができます。窓の先には庭の植栽がのぞき、住宅地にありながらも緑を感じられる設えとしました。
また、来訪者も多いことから、庭に面して広めのウッドデッキを設置。植栽を眺めながら佇むことができる、もうひとつの居場所となっています。
外観には黒の板張りを採用。周囲の緑に映える落ち着いた素材で、小さいながらも凛とした佇まいを目指しました。
三人それぞれが心地よく過ごせる居場所を確保しながら、ゆるやかにつながる、あたたかく、静かな住まいです。