敷地は波佐見町の市街地から少し離れた山間の田園地帯にあります。田園に軽やかに佇む平家の住宅には、20代のご夫婦の希望もあり、小さな料理店を開けるスペースを設けました。モルタル塗りの愛らしい外観と、田園風景を望む開放的な景色だけではなく、陰影のある落ち着きのある間取り、ヒノキの浴槽のあるタイル貼りの浴室、洗面ボウルは陶芸作家さんと打合せをしながら家のイメージに合わせて作っていただき、暮らしの様々な場面に彩りを添える設えを行いました。
若いご夫婦には家の完成と合わせてお子さんが誕生しました。予定していた料理店の開店はもうしばらく先となりそうですが、その土地を耕しながら果樹や野菜畑を少しづつ広げていくことでしょう。ゆったりした時間の流れる波佐見町の里山の中で、地域に根付きながら自分たちの暮らしを作る。この家がその暮らしのしっかりとした土台となることを願っています。