長崎県大村市、大村城下の歴史ある武家屋敷通りのほど近く。風情ある住宅地に、ゆったりとした大屋根の平屋建て二世帯住宅を設計しました。
親世帯と子世帯が、それぞれの暮らしを尊重しながらも、緩やかにつながり合う住まい。中庭を家の中心に据えることで、ふたつの世帯の気配が自然に交わり、日々の暮らしの中にやさしいつながりが生まれます。
住宅地にありながら、室内の窓からは緑が広がり、外の喧騒を感じることなく、豊かな暮らしを実現できる空間となっています。
駐車場は建物と一体化した設計とし、雨の日も濡れずに室内へアクセス可能な動線を確保しました。
外壁には自然素材のシラス壁を用い、周囲の風景に溶け込む落ち着いた佇まいに。内装には珪藻土を採用し、調湿性に優れた心地よい空間を実現しています。特に親世帯の住まいでは、天井まで珪藻土を施し、外からの光がやわらかく反射して室内を包み込むような、やさしい明るさを生み出しています。一方、子世帯の天井には木質素材を用い、あたたかみと落ち着きのある空間に仕上げました。
また、庭や玄関アプローチには四季折々の植栽を計画。住まいに彩りを添えるとともに、移ろいゆく季節の気配を日々の暮らしの中に感じられるようにしています。